Jazz Pageは日本のジャズを中心に新譜アルバムやミュージシャンの活動状況などジャズ情報を毎週発信しています。

----- FUNKITOはニューヨークで1995年に結成したファンクジャズ・グループですが、ファンクを始めた動機は何ですか。ニューヨークではファンクは人気があるのですか。

僕がNYに行った1985年には、7th Avenue South というライブハウスがあり、エレキベースのマーカス・ミラーさん、ジャコ・パストリアスさん、ビクターベイリーさん、ダリルジョーンズさんなどの凄い人たちが色んなセッションをやっていて、日本では聴いた事のない凄い音楽でした。ぼくはその頃ストレートなジャズに傾倒していたのですが、これらのセッションを聴いてエレキベースを中心にしたいと思いました。以後縁なのかブラックの方と音楽をやる事が多くなり、自然とファンクグルーブに魅せられました。NYではファンクのファンは多いです。


----- ファンキー・ゴスベル・ソウル・ロックと似たようなスタイルがありますが、ファンクとはどのような音楽ですか。

ファンクは基本的にブラックミュージックで、ソウルはメロディアスなものが多いのに比べ、ファンクと呼ばれるものは、よりグルーブが強く、メロディーも単調な繰り返しが多いように感じます。例えば、ジェームス・ブラウンとかファンカ・デリックとかが有名です。


----- 本作では、大野俊三 (tp)とスタッフォード・ハンター(tb)がニューヨークから参加していますが、彼らとはNY時代どのような活動を行っていたのですか。また、日本からは、岡淳 (ts)、宮崎隆睦 (as)、森下滋 (key)、大坪正 (key) 、岡田佳大 (ds)などが参加しています。彼らとは長い付き合いですか。

俊三さんとはNYに行ってすぐに知り合いました。当時彼は、ギルエバンス・オーケストラに参加されていて、それが素晴らしい演奏で、こんな凄い日本人がいるんだ、と憧れの存在でした。その後、あるビッグバンドでご一緒させて頂いた事もありますし、プライベートでもいい先輩でした。スタッフォードは、僕のファーストアルバムに参加して頂きました。知人の紹介で秋吉敏子さんのビッグバンドで演奏しているのを聴きに行って素晴らしかったのでお願いしたのがきっかけです。岡田さんとはNYで88年頃知り合い、僕が帰国してからは良く一緒に演奏させて頂いています。他の方々は帰国後東京で知り合った仲間です。


----- レコーディングはスムーズに行きましたか。

皆さんの録音はスムーズでした。一人ずつ録音して行く方法だったので、後で編集するのは大変でした。アレンジを途中で変更した曲も何曲かあります。


----- 全曲、作編曲をご自身が行っていますが、楽理はどのようにして勉強したのですか。

勉強というよりこんな感じの曲をやりたいな、と思う曲のイメージを音にしていった、という事の繰り返しのように思います。特別先生についたり学校に行った訳ではありませんが、耳のトレーニングをエドガー・グラーナさんという方に付いてレッスンを受けた事は僕の基礎になっているのかもしれません。


----- 本作は、多彩なリズムが使われていますが、楽譜に書いて指示しているのですか。 それともメンバーの個性に任せているのですか。

最初に全曲を打ち込みで作り、皆さんに聴いて頂きました。こんな感じ、という事を伝えただけで、後は皆さんの感覚にお任せしました。大坪正さんは2曲参加されているのですが、シンセサイザーの大胆なアレンジをやっていただきました。


----- 80年代のマイルス・デイビスのサウンドを発展させたようにも聴こえますが、マイルスを意識していますか。

そのとおりです。僕がNYに行った1985年にマイルス・バンドのコンサートを聴きました。2時間くらい音を一度も止めない演奏はまるで美しい絵巻物を見ているような錯覚で、喋られないくらい興奮し、感動しました。周りのお客さんも泣いている方が多かったです。その時のイメージを2ndアルバムで「Memory 1985-Mr.MD at piere45」という曲にして収録したくらいです。ただマイルスみたいな偉大な音楽家のマネはしないよう心がけています。


----- 最近、ダンサブルなクラブ・ジャズが人気ですが、本作もダンサブルな曲もありますね。クラブ・ジャズをどのように思いますか。

特別に意識はしていませんが、踊れる音楽は素敵だと思います。僕の音楽もDJの方にプレイしてもらいたいな、と思う事はよくあります。


----- エレキ・ベースを始めたきっかけは何ですか。また、ジャズに入り込んだのはどのような理由からですか。また、あなたが影響を受けたミュージシャンは誰ですか。

中学、高校と吹奏楽部でトロンボーンをやっていたのですが、大学に入った頃はフュージョンブームで、色々聴いているうちにベースがカッコ良く聴こえてきました。高校生の頃ギターを挫折したのでベースだったのかも(笑) 。
ベースで演奏仕事を始めるようになり、現場でジャズを演奏する事が多かったので慌てて聴き、コピーしたのがジャズとの出会いかもしれません。ただ高校の頃からジャズには憧れがありました。やっぱりマイルスです。ベースはマーカス・ミラー、ジャコ・パストリアス、ゴードン・エドワーズ、他多くの方々です。


----- ジャズは多様化していますが、あなたが目指すジャズはどのようなものですか。


グルービーでサウンドも多彩な、これがジャズのサウンドという枠にはまらないもの。
で、ブルースでなくともブルース・フィーリングをもち、アーシーな雰囲気、グルーブと言った感じでしょうか。


----- G-yeah! Recordsを設立してCD制作を行っていますが、事業の状況やミュージシャンとしての現況など教えてください。

CDを作りたい、発売したい、という方のお手伝いを出来れば、と始めました。スタジオで音楽を作り上げて行く作業は大変ですが楽しい時間でもあります。充実していますが事業としてはまだまだです。ミュージシャンとしては、事業を始めた事もあり演奏の機会は減りましたが、ベースという楽器の追求は深まっています。時間があればどうしたらイメージの音を出せるのか、練習というよりは研究をしています。またこのCDの制作をきっかけにFUNKITOのライブを少しずつですが増やして、あちこちで演奏できたらいいな、と思っています。


----- 今後の抱負を教えてください。

ライブ活動を盛んにして、また次のアルバムのイメージが湧いているので曲創りもスタートさせたく思っています。今年はNYから帰国して13年になりますが、久しぶりに行こうと思っています。あとはもっと理想のベースプレイのイメージに近づけるよう研究、練習に励みたいと強く思っています。  

(2012.1)

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